吐噶喇列島⑭
夕食を終え、明かりのほとんどない道を盆踊りの集団を探して歩く。
道路わきの小さな広場に集まっていた。
この盆踊りは精霊を慰めるものだとか。
いく種類もあるのだと聞いた。
この時はボゼが去った後に広場で島の方が「普段は人前では見せない」、という貴重な踊り(舞い?)を見せてくれた。
日本刀を使ったものだった。
それが盆踊りの一種だったのかはわからないが。
手に笹かなにかを持ち、輪になって静かに舞う。
そして踊り終わるとささやかなおもてなしを受け次の家へ。
そうやって精霊を慰めていく。
もちろんよそ者が混じって踊る事はタブー。
こういうものはノリでまざったりするもんじゃあない。
遠くから見物させてもらうだけ。
静かに静かに時が流れていく。
宿泊先の番には宿で間近で見ることが出来た。
行事が終了すると宴会が始まった。
決して派手なものではない。
その時話しをした人達の中に言葉になまりの無い特徴的な髪形の若者がいた。
まあ、目立つわな。
聞けばIターンらしい。
恥ずかしながら初めて聞く言葉だった。
詳しくは書かないが、「こういう生き方」という選択肢が自分にもあったんだなあとしみじみ思った。
最近つくづく感じる。
当たり前のことだが人にはそれぞれいろんな可能性があって然るべきだ。
いろんな可能性を知ることは、いまを迷い悩む人たちの光になることもある。
こういうものは若いうちにできるだけ多く知っとく方がいい。
体験することの大事さ。
世界は思っているより狭く、そして意外と広い。
生き方を考えるこの頃。
前夜祭が終わると、大半のツアーのお客さんは船に帰っていった。
ツアー客は民宿と船中泊、そして少数だがキャンプに分かれるらしい。
港を離れ、沖で停泊するようだ。
前述のキャパの問題だろう。
明日も終了後は船に戻るとの事。
一気に静かになる。
玄関に荷物を置かせてもらっていたので寝る場所へ案内していただく。
案内されたのは廊下w
無理を言っての宿泊。
文句があろうはずがない。
とりあえず机を立ててなんとなく仕切りは作ってくれていた。
ありがたいかぎり。
虫の声を聞きながら廊下で就寝。
※グッドボタンを装備してみました。
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